【完】私の甘い彼氏様
でも、私だって雛乙ちゃんのことが聞きたい。
私だけ話すなんて不公平じゃない?
「雛乙ちゃんは?…好きな人とかいるの?」
とか言いながら実は検討がついていたり…?
だって、雛乙ちゃん分かりやすいから。
「実は…」
「翔大、だよね…?」
そういった私に雛乙ちゃんは、図星ですと言わんばかりに肩を揺らす。
でも誰が見たって分かる。
いつも喧嘩ばかりだけど、いつだって楽しそうだし。
それは翔大も同様。
林間学校の時に私と翔大が仲良くしてるのをなんだか苦しそうに見てたこともあったなぁ。
提案したのは雛乙ちゃんなのにね。
勉強会でも必ず翔大を呼びたがる。
翔大にばっかり質問しててなんだか妬けちゃう。
「な、なんで…」
「みんな分かってると思うよ」
本人達以外はみんな気づいてる。
二人が両想いだって。
みんな二人が付き合ったら祝福するのに、本人達は中々素直になれないんだよね。