【完】私の甘い彼氏様



「よくある、親同士が仲いいとかそんなのはなかった。でも、うちの親は心羽のことを本当の子供みたいに大切に思ってた」





心羽のことを優先した理由に、少なくともそのことは少しは含まれている。


本当に心羽は俺にとって兄弟みたいなもんだった。

どっちかというと、俺が兄貴で心羽は妹。







「心羽は小さい頃からよく俺ん家に泊まったり、遊びに来たりしていた。小6で上の妹が産まれるときは、そこに立ち会ってお母さんを一番祝福してた」






痛がってるときに一番励ましていたのも心羽。


きっと、女同士なにか分かることがあるんだろうな。

お母さんも心羽がいてくれて心強かったと思う。






「一人っ子の心羽は産まれてからも妹の面倒を見て、すげー妹を可愛がってた。俺よりも先に名前呼ばれてて…。そんときばかりは嫉妬したな」







今は下を向いていて表情は掴めないけど、ときどき頷いて、しっかり聞いてくれている。


< 372 / 387 >

この作品をシェア

pagetop