【完】私の甘い彼氏様
「心羽は自分を責めた。母親が死んだのは自分のせいだって。癌に気づけなかったから。…父親の暴力から守れなかったから…。ってな」
心羽のせいじゃない。
そう俺が何度言ったって、心羽は聞かなかった。
自分を責めて責めて責めて…。
その先にはなにもないのにな。
でもきっと、そうしないといられなかったんだ。
「…心羽ちゃんは…、なにも悪くない…。でも、お母さんのこと大好きだったんだね…」
美亜が最初に発した言葉はなんとも美亜らしかった。
「そうだな…」
もう涙声になってる美亜にこれ以上話していいのか不安だ。
美亜まで落ち込むに決まってる。
心羽にこんなことがあったのに、心羽から俺をとってごめんとか…言いかねないよな…。