【完】私の甘い彼氏様

俺が言いあぐねていると、







「碧、話して？」






美亜が先を諭した。


そうだよな。

ここにきて、美亜を信じないでどうする？



美亜を信じて話し出したのに。




俺は美亜の言葉に頷いて、もう一度話し出した。







「そして、心羽の母親が死んだことで…父親の暴力の矛先が、心羽だけになった」






母親が一番恐れて、自分の命よりも守りたかったもの。


それが現実になってしまった。






「心羽は俺の家に来なくなった。父親が家に帰ってきたときに心羽がいないと、母親の遺影や遺品まで傷付ける。それがどうしても嫌だった。

美亜が言うように心羽は母親のことが大好きだったから」





俺の親はその事について詳しくは知らなかった。

だから心羽が突然家に来なくなったことを俺の親は悲しんでいた。


でも、俺はなにも言うことができなかったんだ。