【完】私の甘い彼氏様



「心羽はその内、学校にも来なくなった。でも、俺は放課後に毎日会いに行っていた。心羽になにもしてやれない俺なりの罪滅ぼしのつもりで」





心羽は父親が帰ってくる時間になると俺を帰らせた。


俺が父親と会ったら、俺にまで暴力をするから、といって。

でも俺は男だから、兄弟みたいに育った心羽を守ってやりたくて、残ると言い張ったことがあった。



ただ心羽は首を縦に振らない。


俺の両親が悲しむから。

私はもう後悔したくないから。


そう言われては俺にはなにもできなかった。



俺が心羽の重荷になってはいけないと思ったんだ。






「心羽の身体中の傷はどんどん多く、大きくなっていった。俺はどうしても心羽を守る理由が欲しかった」





家族みたいに大事な心羽が傷ついていくのをだまってみてられるような人間じゃなかった。

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