【完】私の甘い彼氏様
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「俺は心羽のことが好きだった訳じゃないのに、軽い気持ちでオッケーしたんだ。その日から心羽は、前と同じように俺の家に来るようになった」
俺の親には心羽と付き合ったと伝えた。
心羽の事情もすべて本人が話した。
「心羽のことを恋愛感情で好きだったわけではない。でも、大切なのは確かだった。
でも、そんなときに、心羽は倒れたんだ」
俺の家にお母さんの遺品や遺影を保管していたから、心羽は朝早くから夜遅くまでいるようになった。
俺たちも年頃になったから、といって泊まることは少なくなったけど、一日中一緒にいた。
ただ、心羽も家に帰ることはある。
その時に父親に遭遇することも少なくなかった。
いつも傷を作っては苦しそうに、でも心配をかけないように無理して笑う心羽に胸が苦しくなった。