【完】私の甘い彼氏様
無理を続けていくうちに、心羽の体はいつしか限界に達していた。
「俺は自分を責めた。心羽が自分を責めたように、ずっと。誰になんと言われようと、守れなかったのは事実だから」
なんのための彼氏だ。
守る理由が欲しかったのに。
守る理由があっても、結果的に助けてやれないんじゃ意味ない。
「でも、心羽の父親はやりすぎだと自覚したのか、家を出ていったんだ。俺と心羽も別れた。
心羽を守ることができなかった。そう謝る俺に心羽が、あの言葉はもう気にしなくていい。重荷にしなくていいと言ったんだ」
心羽が俺のことを好きなのは知っていた。
だからこそ、そばにいても気持ちに応えられないのは辛かった。