【完】私の甘い彼氏様




「でも、この前……あの男が、…心羽の、父親が帰ってきたんだ」







それが俺が美亜から離れた理由。


心羽と付き合っていないからって、ほっとけるわけがない。

心羽は大切だし、あの時守ってやれなかった。



俺は今度こそ心羽を守ろうと、そう思った。







「最近心羽の具合が悪かったのは精神的な問題。母親を殺したとも言える父親が帰ってきて、自分に傷をつけてきたことが蘇って…。」







これからも、心羽が苦しいときは寄り添ってやりたい。

せめて、心羽に生涯寄り添ってくれるようなやつが現れるまで。






「でも、心羽の父親はもう暴力をしないどころか、人が変わったように心羽に良くした。だからといって、心羽の心の傷が消えるわけではないけど…」






これは俺の身勝手なお願いだって分かってる。


でも、美亜なら…







「心羽はいまでも、俺の幼馴染みで大切なやつなんだ。だから、しばらくは心羽のそばにいてやりたい。

でも俺はもう美亜を手放したくない。

身勝手だって分かってるけ「いいよ」






美亜は綺麗な涙を流していた。





「碧と一緒にいれるなら、もうなにも望まないよ」


< 381 / 387 >

この作品をシェア

pagetop