【完】私の甘い彼氏様
美亜はいつだって、自分よりも他人を優先する。
言わばお人好し。
でも、今回ばかりは少しそこに漬け込んでもいいだろうか?
「でも、たまには私にもかまってね?」
ニコッと効果音が聴こえてくるような笑顔を向ける美亜に、俺は一人幸せを感じた。
また、俺のところに戻ってきてくれた。
だから、もう美亜を悲しませないようにする。
心羽を守るのも大切だけど、優先するのは美亜の心だ。
「もういらないってくらいかまってやるよ」
俺はそう言って美亜を腕の中に閉じ込めた。
この体温は今度は本当に俺のもの。
いつ離れていくか分からない、そんな不安を感じる必要はもうないんだ。
「私、こんな話聞いてよかったのかな…?」
「大丈夫、心羽には言っとくし。美亜は俺の…彼女、なんだから」
そのあと二人して赤面してたのは、言うまでもない。