【完】私の甘い彼氏様
「そーだ!」
いきなり美亜がなにかを思い付いたように言う。
なんなんだ?
「碧の卒業アルバム見せてよっ!」
「えっ…。それって、小学校の?」
「うん!」
俺達は中学が一緒なので、中学の卒業アルバムは美亜も持っている。
そうなると必然的に小学校の卒業アルバムと言うことになるけど…。
「それはちょっと…」
小学校の頃、俺は野球をやっていて坊主だった。
それを美亜に見せたら確実に大爆笑される…。
絶対に嫌だ。
「えー!見たい!」
そんなキラキラした目で俺を見るな…。
美亜のお願いは聞きたくなるんだよ…。
でも、今回ばかりは
「中学の久しぶりに見た方が面白いと思うけど…?」
「そんなに私に見せたくないの?」
「美亜?」
なぜか瞳がうるうるしている美亜。
え?なんでだ?
「私は、私の見たことない碧を見たかっただけなのに」
本当そう言うこと言うなって。
勘違いしそうになるだろ?
美亜も俺の事好きだって。
まぁ、付き合ってるのに勘違いって言うのも変な話だけどな。