【完】私の甘い彼氏様






しぶしぶ俺は小学校の卒業アルバムを出してくる。


っていうか、マジでやなんだけど…。

小学校とかほとんどの奴中学一緒だったし、アルバム見せることなかったんだけど、そう言えば美亜は中2のとき引っ越して来たんだっけ?



すげー転校生が可愛いってみんな騒いでたな。

そのときは俺は美亜にこんなに惚れるなんて思ってなかったし、もちろん美亜が俺の彼女になるとも思ってなかった。


まぁ、その頃俺は早紀と付き合ってたんだけどな。

早紀に感じる好きは、恋愛じゃないって気づいたんだ。


それから間もなくして、美亜を好きになった。

早紀も俺と同じく、恋愛対象として俺を好きだった訳ではなかったらしい。




「碧、坊主だったんだ」


「あぁ」




俺を見つけたらしい美亜が話しかけてきた。




「へぇ、似合うねっ!」




でも、美亜から返ってきた言葉は俺の想像していた物と違った。

似合う?
俺に坊主が?

そんなこと始めて言われた。




「本当か、それ」


「うん!でも、今の髪形も私は好きだなぁ」




好き!?

いや、俺じゃなくて髪に言われたことは分かってる。

でも、美亜に俺を好きって言われたみたいに嬉しくて、俺は美亜に見せて良かったと思っていた。





「あ、早紀ちゃんだ!可愛い~」


「玲音もいるぞ。ほら、」




俺が玲音を指差すと




「ほんとだ!玲音くん小学校の頃からかっこ良かったんだね」




と美亜が言う。

は?かっこいい?
俺は似合うだったのに?


そんなことにいちいち反応して傷つく俺は器が小さいのだろうか…?






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