【完】私の甘い彼氏様
美亜はまだ疑っているのか俺をジーっと見ている。
いや、そんなに見られると…俺だって理性がもう限界なんだよ…。
「そんな見んなよ…」
「ふぇ!?」
美亜は俺がそんなこと言うと思ってなかったのか変な声を出す。
ふぇってなんだよ。
堪えきれず噴き出すと
「も~ぉ」
頬を膨らまして怒っている美亜。
あー、もう。
そんなの逆効果だって、なんで分かんないかなぁ…。
「可愛いことすんなって」
「え?なんか言った?」
俺の呟きは美亜には聞こえなかったらしい。
まぁ、どっちでも良かったけど。
聞こえたところで俺は普段から言ってるしな。
「なんでもない」
「えーそればっかぁ」
不満そうにさっきよりも大きく頬を膨らませる。
「いいんだよ、美亜は」
「よくない~」
駄々こねる美亜も可愛い。
もう俺は美亜になにをされても嫌いになれないんだろうな。
だから、美亜を手離すことが怖い…。
美亜は俺のこと好きじゃないから、いつかそんな日が来てもおかしくない。
いや、来ると思うんだ。
でも、俺は美亜に別れて欲しいと言われて別れられるのか?
「離れていくなよ…」
「いかないよ?」
今度は聞こえていたようで、美亜が言った。