【完】私の甘い彼氏様
「あっ、そうだ早紀。明日は美亜と帰ってやって?」
「え?あんたが一緒に帰ればいいじゃない」
「明日は部活なんだよ」
碧がそう言うと「はぁ…」と溜め息をついて
「それでいいの?」
なんて真剣味を帯びた表情で言う。
なにか、あるのかな?
でも、ただ黙って頷いた碧を見て早紀ちゃんは、
「分かったわよ、溺愛王子」
嫌味ったらしく言った。
溺愛王子ってなんだろう…?
きっと碧のことだと思うけど…。
「は?なんだよ、それ」
碧も知らなかったようで、眉間に皺を寄せている。
こんな碧、ちょっと珍しいかも。
「知らないの?」
「俺ですら知ってるぞ」
今まで口を挟んでいなかった玲音くんまで参加。
なんの話だろう…?
「お前は美亜の事になるとほんっとに酷いもんな。」
「ひどいってなんだよ」
「私がどうかした?」
私が参加すると碧がビクッと肩を震わせて
「お前はいいの」
という。
私の名前出てきたのに。