【完】私の甘い彼氏様





それと同時にさっきの男にイラついてくる。


でも、あいつの気持ちは分かるんだ。


美亜は可愛い。

道を歩いてるだけでどいつもこいつも振り返るくらい。

俺はその視線一つ一つにイラついて、美亜は俺のだって一人一人に言って回りたいくらい嫉妬する。


我ながらどれだけちっこい男なんだろう…?


でも俺だって美亜と会うのが学校じゃなくて道端だったら?

美亜が転校してきたのが違う中学で俺以外のやつが美亜の彼氏だった可能性なんて大いにあるんだ。



考えただけで狂いそうだけどな。


俺はどこで誰といても美亜を好きになる自信がある。
出会いが良かっただけなんだ。


それに今だって、美亜はいつ俺から離れていっても可笑しくないんだ。





「碧…ありがと…」




果たして俺は美亜に感謝されるようなことをしたのか…。

俺だってあの男と同じことをしたかも知れないのに…。




「美亜が…無事で良かった…。」




でも今は美亜がここにいてくれること。
それが嬉しい。





「美亜、イルカショー行くか」


「うんっ!行く!」





美亜のこの笑顔は、今は俺のもの。







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