【完】私の甘い彼氏様
「混んでる…」
「座れないな」
イルカショーの会場に着いたのは良いものの混んでいて席がない。
さすが人気な水族館だけあるな。
「そうだね…」
みるからに悲しそうな美亜。
あんだけ楽しみにしてたんだから座って近くで見たいよな。
俺があの時手を離さなければ今頃座れてたのに。
あー、メッチャ後悔。
「あっ!見て!あそこ空いてる!」
美亜が急に俺の腕を引いて歩き出した。
美亜が指を指した先を見ると人で埋め尽くされたなか、3つ空いている席が並んでいた。
「じゃあ、行くか」
俺達は人の間をぬってそこに辿り着く。
この会場の中でも少し離れた位置に行くだけで一苦労だ。
「あ…取られちゃったね」
「そんな顔すんなよ!」
「兄ちゃん、怒らないで」
すると、俺たちの真後ろから声が…。
見るとちっちゃい子供たちが3人。
俺たちを見て悲しそうにしていた。
ここに座ろうとしたのか?