【完】私の甘い彼氏様





「混んでる…」


「座れないな」




イルカショーの会場に着いたのは良いものの混んでいて席がない。

さすが人気な水族館だけあるな。




「そうだね…」




みるからに悲しそうな美亜。

あんだけ楽しみにしてたんだから座って近くで見たいよな。
俺があの時手を離さなければ今頃座れてたのに。


あー、メッチャ後悔。




「あっ!見て!あそこ空いてる!」




美亜が急に俺の腕を引いて歩き出した。

美亜が指を指した先を見ると人で埋め尽くされたなか、3つ空いている席が並んでいた。




「じゃあ、行くか」




俺達は人の間をぬってそこに辿り着く。

この会場の中でも少し離れた位置に行くだけで一苦労だ。




「あ…取られちゃったね」


「そんな顔すんなよ!」


「兄ちゃん、怒らないで」




すると、俺たちの真後ろから声が…。
見るとちっちゃい子供たちが3人。

俺たちを見て悲しそうにしていた。

ここに座ろうとしたのか?




< 84 / 387 >

この作品をシェア

pagetop