【完】私の甘い彼氏様
なんか悪いことしたな…。
「碧、どいてあげよ」
「いいのかよ、美亜。ずっと見たかったんだろ?」
「でもいいの。私は我慢できるから」
そう言って微笑んだ美亜。
自分が見たくても見ず知らずの子供に席譲るとかお人好しすぎだろ。
それが美亜らしくて好きだけど…。
「ここ、座っていいよ」
美亜が声をかける。
すると子供たちは不思議そうな顔して美亜を見る。
「お姉さんも見たいでしょ?」
「うん。見たいよ。でも私は後で立って見るから」
「いいの!?」
「もちろん!」
「わーい!」
子供たちが嬉しそうな顔をするとたちまち美亜も嬉しそうに頬を緩ます。
本当にちっちゃい子好きだよな。
「じゃあ、行こっか」
「そうだな」