【完】私の甘い彼氏様
「良かったな、見れて」
「うんっ!」
なんとか一番前にたどりついた。
結構大変だった。
美亜とはぐれないようにここまで来たけど、男達が美亜が隣を通る度にざわざわし出す。
それですら嫌とか俺は子供かっ!
「碧!」
美亜に呼ばれて美亜を見る。
やっぱり上目遣いには慣れないな。
「これ…」
そう言って美亜が見せてきたのはゴールドとシルバーのジンベイザメのストラップ。
「これがどうかしたのか?」
「早紀ちゃんに教えて貰ったんだけど、このストラップをジンベイザメの水槽の前でお互いのスマホに付けると、そのカップルは一生別れないんだって」
顔をこれでもかと言うほど赤くして俯いている美亜。
早紀、ナイス!
「貰っていいの?」
「一緒に着けてくれるの!?」
「くれないの?」
「いやいや、どうぞどうぞっ!!」
「ありがと」
俺はゴールド。
美亜はシルバーのジンベイザメをスマホに付けた。