彼女にしたい彼女の秘密。
2年で同じクラスになった。

「はじめまして」、と言ったら、「隣のクラスじゃなかった?」と聞かれた。
あ、はい、2組です、と返すと、なんで敬語?とまた聞き返された。

この辺で、落ちたんだと思う。

その日から俺はひたすらちょっかいをかけた。だいたい女はこれで落ちるモンだと小説を読んだから。

だけど、彼女は手強い。

無反応。

逆に無反応を逆手にとって意地悪言っても、ちろりと睨まれるだけ。

なんか、それさえ興味湧いてしまった。

かっけー。
やっぱ、落としてえ。

落としてやる。落としてやるから、待ってろぉ! 成瀬浩美!
って、宣戦布告になっちゃったけど。



「あれ、海」
人影?

「…………成瀬…………?」

あの、サラサラロングの髪は、成瀬浩美だ。

声、かけよっかな。うわ、緊張。

いや、かけてやる!

「成瀬ーぇ‼︎」
「……え、は?」

驚いたように俺を見て、そして、ギロッと睨まれた。
「なんなのよ⁈ こないだからうっざいのよ!このサイテー男!」
「……っは⁈」

サイテーって、やっぱりちょっかいダメだったのかな。

知ってたくせに。

嫌がってること、くらい。
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