彼女にしたい彼女の秘密。

彰side




は? え?

何あのババア。なんで陥れてんだ、成瀬を。

馬鹿野郎。馬鹿野郎!

なんで俺はあの時隣にいたのに成瀬が傷つけられてるのを止めなかった?

ばふん、とベッドから埃が舞う。
「ちょっとぉ、何なのよ! やめてよ、この阿呆(あほう)」
「兄に対してその態度なんだ、夏菜」
「阿呆が怒った〜」
馬鹿妹がキャア、と笑った。
「なんか辛気臭い顔。阿呆はいつもおちゃらけとけ」
「なんだ、その阿呆に対する偏見」

「んー?お兄ちゃんいつも阿呆じゃない?」
「いや自覚してるけど」
「してるんかーい。じゃー辛気臭い顔すんなし。悩み事ー?」
言ってから夏菜が、ナイナイ、この阿呆に限って悩み事はナイわー、とひとり笑い転げた。
「んだよー」
「悩むより行動派じゃん、彰は」

なんとなく、という感じでした夏菜の指摘は的を得ている。
「そーか」

俺は行動派だった。
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