私の中の大切なキモチ




同じ階にある営業部に向かい、
頼まれていた新作シューズの資料を渡して
今日の私の仕事は終わり。

帰る支度をするために、営業部をあとにして
進んでいると、

嗅ぎ慣れた 少し前まで一番近くにあった
香りがして、思わず一瞬足を止めてしまう。

未だに動揺して、傷つく自分が情けなくなる。

早くここを去ろうと足を進めていると

「星蘭、お疲れ。こんなところでどうした?営業部に用事でもあったのか?」

大好きだったあの声

今は私のものじゃない、あの声。

「、、、、お疲れ様です、澤村さん。頼まれていた資料を届けに来ていたんです。 では、失礼します。」

笑顔を貼り付けて応えた私を見てか、
澤村さん、と他人行儀に呼ばれた事にか、
少し傷ついたような顔をする彼。

「、、、ああ。お疲れ。あまり無理するなよ。」

あなたが傷ついたような顔をするなんて
ズルいよ。
私はあなたのことがほんとに大切だっのに、
きっとあなたも私のことを大切にしていて
くれたのに、
この関係を捨ててでも、違う道を選んだのは

他の誰でもなく、

あなたなのにーーーー
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