私の中の大切なキモチ




電車と徒歩でたどり着いた我が家。
私は実家で暮らしている。

今日は早めの解散だったから、まだそんなに
遅い時間ではないし、
まだ誰か起きてるかな?

「ただいまー。」

「お姉ちゃん。お帰りなさい。」

「愛蘭(あいら)、起きてたの?!体調は大丈夫なの?」

「もう、お姉ちゃん心配しすぎだよ。もう熱は下がったし、明日ちゃんと大学にも行くつもりだしね。体調いい日に行っておかないと、留年しちゃうしね。」

えへっ、と可愛らしく笑う私の妹。


如月 愛蘭 (21) 大学3年生

昔から体が弱くて、学校も休みがち。

色が白くて、大きな目にミルクティー色の
ロングヘアを綺麗に巻いていて、お人形みたいで、我が妹ながら大変可愛らしいと思う。

昔は、そっくり姉妹ね〜なんてよく言われたけど、今は化粧や髪型も違うしあんまり言われなくなったかな。

愛蘭と違って私は、暗めに染めた
シャギーを入れたセミロングの髪を内巻きワンカールにしている。

「お姉ちゃんお仕事お疲れ様。最近なんだか疲れてない?お仕事忙しいの?大丈夫??あっ、紅茶淹れてあげるね!この間ね、大学の友達が外国に旅行に行ったお土産にくれたんだけど、すっごく美味しかったの!!」

「ありがと、愛蘭。でも、無理しちゃまた体壊すよ?」

「もうっ、大丈夫だってば!それに久々にお姉ちゃんともお話ししたいし♩」

「そう?じゃあ、愛蘭の紅茶もらっちゃおうかな。部屋に荷物置いてくるね。」

「うん。用意しておくよ!」

愛蘭はとってもいい子なんだ。
小さい頃から愛蘭のことが心配で
よく世話を焼いて来たからか、成人した
大人に言うのもなんだけど、
愛蘭は甘えん坊。だけど心も優しくて、
姉妹仲はずっといい方だと思う。
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