私の中の大切なキモチ
そんな大切な妹だから。
そんな優しい妹だから。
そんなかわいい妹だから。
余計に私は、苦しむのかもしれない。
この思いを、どうすることもできないのかもしれない。
「はーい、お姉ちゃん。出来たよー!」
「ありがとう。、、、うん!美味しい。ローズ系だよね?香りも最高だね。」
「だよね!私もすごく気に入ったんだー。」
〜♪
「あ、愛蘭、電話なってるよ?」
「あ、ほんとだ!、、、!あ、お姉ちゃん、、ちょっと電話、出てくるね、、、?」
「うん」
1人で美味しい紅茶を楽し見ながら、携帯をチェックしようと思って手を伸ばすと、カップに当たって、紅茶をこぼしてしまった。
「あ〜、やっちゃった。布巾布巾〜!」
慌てて布巾をキッチンに取りに行くと、ドアの外に寄りかかって電話をしている愛蘭がいた。
布巾を探していると、電話している愛蘭の声が聞こえてきた。
「うん。うん。大丈夫だよ。明日はちゃんと大学にも行くから。今週末?空いてるよ。えっ、水族館?!やった〜!ずっと行きたいと思ってたの!!ありがとう!うん、体調気をつけるよ。じゃあね、おやすみ、一樹。」
ドクン
''一樹''
澤村 一樹 (26)
Ruban 営業部主任 若くして営業部のエース。
彼、一樹は、つい最近までわたしの恋人で。
いまは妹の恋人ーーーー。
痛む胸を、知らないふりして、机の上を
布巾で拭いて、カップを洗う。
「あ、お姉ちゃん、飲み終わった?」
「うん、ありがとね。今日はもう疲れちゃったから寝るね。おやすみ。愛蘭も早く寝るんだよ。」
「うん。おやすみ〜。」
自分の部屋に飛び込んでため息をつく。
こんなキモチ、早く消してしまいたいのに。
枕に顔を埋めると、我慢していた涙が
溢れてくる。