私の中の大切なキモチ
半年前。
私と一樹は高校の先輩と後輩で、
私が高校1年、樹が高校3年のときから、
社会人になった今まで、7年以上の付き合いになる。
きっかけはありきたりで、
私の高校のときからの親友の紘華の彼氏の
友達が一樹だった。顔をあわせることも多く、
イケメンで身長が高くて当時からモテモテだった一樹に、すぐに恋に落ちた。
それから、2人で話したりすることも増えて、
一樹に好きだって言われたときは、
嬉しくて泣いたっけ。
毎日じゃないけど、一緒に帰って
家まで送ってくれたり、休日には
デートした。
バスケ部のキャプテンだった一樹の
試合を見に行ったり、私のピアノの発表会には
一樹が花束を持って見に来てくれたり。
優しくて、頼り甲斐があって、でもたまに見せる意地悪で遊び心があるところも、
理想の彼氏だった。
大学生になっても、それは変わらず、
頑張って勉強して、一樹と同じ大学に入って
楽しい毎日だった。
みんなに、飽きないの?って言われたりするけれど、全くそんなことはなく、
付き合ったばかりの頃のように、
一樹のことが大好きだし、ドキドキしていた。
一樹も、私ものことをとても大切にしてくれていた。