青い空に朝日が昇れば
「雨ってなんかテンション下がるよね」
いつもハイテンションな渡瀬君は本当に嫌そうな顔をした。
「私は雨、好きだよ。落ち着く。」
この、雨の降る音が好き。
嫌な音をかき消してくれるような気がするから。
「なんか、俺と正反対な感じする。」
渡瀬君はそう言うと、私に背を向けてほかの男の子と話し始めた。
“俺と正反対な感じする。”
言われなくたって分かってるよ。
私は地味。
渡瀬君は派手。人気者。
雨が好きな私と、
雨が嫌いな渡瀬君。
「朝陽 ドンマイじゃん席」
わざと私に聞こえるように言わなくたっていいじゃん。
だから席替えって嫌だ。
「何が?ドンマイって何が?」
バスケ部の男の子達が、冷やかしと面白半分ではやし立てたことに渡瀬君は聞き返す。