青い空に朝日が昇れば
私が意を決して詩由にバスケは辞めよう。と言おうとした時だった。
隣の席の、坊主頭の男の子。
そう、渡瀬君が私たちに向かって言った。
屈託のない笑顔でそう言った。
さっきとは違う意味で、心臓が音を立てる。
「野球足りてないし、別にガチ勢じゃないし、俺らと一緒でもいいなら来いよ。」
他の坊主頭の男の子たちも、よかったらーなんて言って、嫌な素振りのひとつも見せない。
「遥、野球にしよっか。」
「でも詩由いいの?」
「うん!!渡瀬達がいいなら野球にする!」
詩由はそう言って、笑顔を見せた。
私はホッして肩の力が抜ける。
「渡瀬君、ありがとう。あと、よろしく!」
「おう!出来たら勝とう!」
「うん!詩由も渡瀬君の友達も、よろしくね!!」
意外と渡瀬君の友達もいい人なのかもしれない。