好きなあの人
【緋南side】

教室に戻ると皆、グループを作るのに必死だった。

「大変だねぇ〜皆。」

廊下側の席に座ってのんびり皆を見つめる。

千尋とは離れた為あたしもグループに入らないといけないが入れない。

――ガラガラッ。

「皆さん、席に付いてください。」

皆、席に付き静かにする。

「明日は歓迎登山として山に登ります。」

「何時間ぐらいかかるんですか〜?」

可愛い系の女の子が先生に話しかける。

「そうねぇ…往復2時間」

皆なら大丈夫よね?みたいな視線を送られる。

皆怠そうにする。

大変ねえ〜。あれ?二度目?。

「じゃあ、皆立って〜。」

その声に皆立って椅子を直す。

「じゃあ、皆さん明日は休まないでね」

その声に皆、帰りの挨拶をして教室を出る。

廊下に出ると皆の親がいた。

「どいてくれる?」

固まっていると後ろから話しかけられた

「あれ……?さっきの……」

列が違うことを教えてくれた男の子。

さっきより冷たい。

「邪魔。」

「あ、ごめん」

どこうとすると誰かにぶつかった

「あ、すみません……」

「あ、ひーちゃん〜」

「あ、さっちゃん」

石田聡琉(いしださとる)いつもニコニコして私よりのんびりな性格、黒のクセ毛で眼鏡をかけてる残念なイケメン君、私の幼馴染み。

「ひーちゃん今日泊まりに来ない〜?」

「うんっ!行くっ!」

即答で答えてさーちゃんの親御さんを探す。

「髪言われなかったんだね〜」

あたしの髪は腰まであるロングヘアー。

コゲ茶で毛先茶色の変な髪型。

「なんかね、受験生じゃないならいいんだって」

「へぇ〜?ゆるいのか厳しいのか分かんないね〜?」

「あ、千尋探さなきゃ」

「千尋ちゃんなら僕と同じクラスだよ〜」

「あ、そーなの?」

すると髪を引っ張る人が居た

「痛っ……」

「あ、噂をしたら千尋ちゃんダメだよ〜引っ張っちゃ〜」

「ねぇ、あの人相原将也じゃない?」

「へ……?」

「あんたによくちょっかいを出してた人」

「……あぁ、そう言えば……」

相原がちょっかい出し始めたからあれが起こった。

「……で?なんで私を探してたの?」

「あぁ、あたし今日さーちゃんの所で泊まるから運転手さんに言って欲しいの」

「いや、親に聞かないと分からないでしょ。」

「あ、大丈夫だよ〜」

「は?なんで?」

「メール来た〜」

見せてもらうとほんとに許可が出てきた。

「車に居るみたいだし急ごうか」

「うち言っておくから明日遅刻しないでよ」

「うん、僕がいるから大丈夫だよ〜」

「ほんとか…?」

不安そうな千尋。

のんびり屋が二人揃うと逆にいいやってならない?。

あたしだけかな?。
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop