好きなあの人
【緋南side】

次の日さーちゃんのお母さんに送ってもらい学校に着くと皆輪を作っていた。

「早……」

あたしは呑気にそんなこと考えてた。

「おはようございます、点呼取るので座って下さい。」

言われた通り席に付き名前を呼ばれるまで待つ。

「樋口緋南さん」

「はい。」

返事をして、後ろの子に行く。

「……はい。全員居ますね」

後ろから二番目の席後ろの女の子は元気のいい感じの女の子だった。

「宜しくね!」

「宜しく」

それからグラウンドに集まり一時間も時間をかけて登っていく。

「大変ねえ〜」

さーちゃんはサッカー部に入団したみたいだった。

「あれ?いつの間に……」

「元々ここのサッカー部に呼ばれてたからね〜」

いつもはのんびりでにこにこ笑っているさーちゃん。

でも部活が始まるとキリッと表情が変わりかっこ良くなる。

「部活の時のさーちゃんと今のさーちゃん同一人物と思えないし」

「えぇ?ひーちゃんが一番理解してくれてると思ってたんだけどな〜」

「理解はしてるよ?それとこれとは別ってやつよ」

「なるほど〜」

「何、あんた達夫婦みたいな会話してんの。」

「あ、千尋休憩は?」

「しすぎって先生に怒られたのよ。」

「あれ?って事は……」

「最後尾もう少しで先生来るよ。」

「ひーちゃん走るよ〜」

「あいあいさ〜」

「ちょっ、待ちなさいよ……!」

やる気ない言葉と共に全力で走る二人。

後で千尋から説教タイムだな……。

なんて思いながら走った。
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