好きなあの人
【緋南side】

「樋口は俺とこれ。聡琉は自分のクラスで」

「じゃあひーちゃんまた後でね〜」

「あのおもりいつまでつけてるんだろ……」

「樋口、こっち持って」

「あ、うん」

結構重いな……。

「あ、ここでいいやありがとう」

「ううん、早く着いたしいいの!他は?」

「あ、ならこれ一つ」

「あ、うん!」

するとあたしが持っていた荷物は目を放した隙に消えた。

「あれ……?」

「僕も持つ〜」

「あ、さーちゃん」

「えへへ〜あれ軽そうだからあれ持って〜」

「クラスは?」

「まだ先生着いてなかった〜」

今後ろにいた男の子から舌打ちが聞こえたのは気のせいだよね……?。

「あれ……?怒ってる……?」

「ううん、怒ってないよ。」

明らかに少し不機嫌な彼。

「放っとこう?あんまりしつこくても……ね?」

「あ……そうだね〜」

謎の視線を感じるが気にせずにさーちゃんと一緒に運ぶ。
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