激甘王子に溺愛されました
「何でもなくないでしょ。どうした?」
私の顔をのぞき込む。
高月くんの優しい声と怖さで泣きそうになる。
「ほんと、になん、でも、ないから」
「……もしかして……雷怖い?」
ここで嘘ついたってきっと高月くんには見抜かれる。
だから頷いた。
「大丈夫。家に帰ればお母さんもいるし今日は家まで送っていくから。ね?」
「お母さん……いない。」
「え?」
「今日、いないの……」
今の私はまるで迷子になった幼稚園児という感じだろう。
高月くんは優しいって知ってるからつい甘えてしまう。