イジワルな彼に今日も狙われているんです。
まさか、尾形さんと恋人同士になってこうしてまた並んで歩けるようになるなんて。
昨夜悪い予想ばかり頭に浮かんでなかなか寝つけなかったあのときの自分には、想像もできなかった。
つないだ手にそっと力を込めて、右隣りにいる尾形さんを見上げる。
私の視線に気付いた彼があたりまえのように笑ってくれるから、胸がきゅんとして体温が上がった。
と、そこで私は、あることを思い出す。
「あの、尾形さん」
「ん?」
「えっと、前に尾形さん、言ってたじゃないですか。昔から、将来は沖田って名字の女の人に婿入りして『沖田 総司』になるんだって言ってたって」
「あー……それな。俺もふざけて言ってただけだから気にすんな」
そう言って尾形さんが苦笑する。その言葉も表情も、自惚れじゃなかったら私のことを気遣ってくれているようでうれしい。
だけど私は、あるひとつの可能性を提案した。
「あの、でも、尾形さん。もし尾形さんが本当に『沖田 総司』って名前になりたいんだったら、もしかしたら叶えられるかも、しれませんよ……?」
「は?」
私のセリフに、きょとんと目をまるくする尾形さん。
うーん、やっぱりこれって、突飛な話だよなあ。
そうは思ってもすでにここまで話してしまったので、私はそのまま続けた。
昨夜悪い予想ばかり頭に浮かんでなかなか寝つけなかったあのときの自分には、想像もできなかった。
つないだ手にそっと力を込めて、右隣りにいる尾形さんを見上げる。
私の視線に気付いた彼があたりまえのように笑ってくれるから、胸がきゅんとして体温が上がった。
と、そこで私は、あることを思い出す。
「あの、尾形さん」
「ん?」
「えっと、前に尾形さん、言ってたじゃないですか。昔から、将来は沖田って名字の女の人に婿入りして『沖田 総司』になるんだって言ってたって」
「あー……それな。俺もふざけて言ってただけだから気にすんな」
そう言って尾形さんが苦笑する。その言葉も表情も、自惚れじゃなかったら私のことを気遣ってくれているようでうれしい。
だけど私は、あるひとつの可能性を提案した。
「あの、でも、尾形さん。もし尾形さんが本当に『沖田 総司』って名前になりたいんだったら、もしかしたら叶えられるかも、しれませんよ……?」
「は?」
私のセリフに、きょとんと目をまるくする尾形さん。
うーん、やっぱりこれって、突飛な話だよなあ。
そうは思ってもすでにここまで話してしまったので、私はそのまま続けた。