FAIRY TRAPPER!
そういえばレオは不良っぽくない容姿だ。
切れ長な目に高い鼻の顔立ちは綺麗系。
髪の毛はミルクチョコレートのような、優しい色をしている。
唯一、不良を象徴しているのは耳にたくさんあけられているピアス。
だいたい髪の毛で隠れていて見えないが、たまに揺れた髪の中から覗いている。
学校の人たちが紫苑の総長である彼を怖がらず、黄色い歓声を飛ばしているのは、彼がアイドルのような、モデルのような見た目をしていて、他の不良よりも親しみを持ちやすいからなんだろう。
ただ、直接話しかける強者はあまりいないが。
「レオさん!お疲れ様です!」
「みんな揃ってるか?」
「いや、いない奴もいますけど…どうしたんすか、その女」
その女ってあたしのことだよな?
レオに隠れていて見えないが、ここにいる女はきっとあたしだけ。
もしかして余所者だからボコボコにされるんじゃないだろうかと、レオの背中を見つめながら身震いした。
レオが連れてきたんだから、さすがに守ってくれるよね?
そう願いながらレオのシャツを掴む。
すると、レオはあたしの肩をグイッと抱き寄せて言った。