FAIRY TRAPPER!
「コイツは今日から仲間だ。守れ」
総長の命令に色とりどりのヘアカラーの男たちは野太い声でオッス!!と返答する。
レオは満足そうに頷いた。
「はっ、はじめまして!櫻井華恋です!」
「……カレン?」
隣から小さくあたしの名前を復唱する声が聞こえて、そういえばレオにも自己紹介していなかったと思い出した。
ぺこりと軽くお辞儀をすると、1番近くにいた人と目が合ってしまって気まずさから微笑みかける。
「じゃ、そういうことで」
レオはあたしの手を引っ張り部屋の奥へとズンズン進む。
困惑しつつも腕を引かれるままついていくと、部屋の一番奥に扉があり、開かれるとエレベーターが出現した。
どうやらこの部屋を通らなければ上の階に行けない仕様になっているらしい。
──ポーン
やたら静かなこの空間にエレベーターの機械音だけが響く。
あたしは雰囲気に圧倒されて黙りこくっていた。
「優しい奴らばっかだから安心しろ」
「…はい」
そう言われましても。
部屋を突っきる時に見たけれどガタイがいい人も結構いたし、顔つきもかなり怖かった。
忘れていたけれど、紫苑ってこの地区でかなり強い方で恐れられてるって聞いたことがある。