FAIRY TRAPPER!
逆に考えると、その紫苑の拠点に入っている今の状態が思ってたよりもすごいことなんだと改めて思う。
こんなチャンス、逃したら絶対ダメだ。
ゴクリと唾を飲み込んだ。
「着いたぞ」
はっと気がつくと開いたエレベーターの扉を手で押えるレオがいた。
何も聞かずにエレベーターに乗ってしまったけど一体どこに向かっているんだろう。
尋ねようとした時、レオは既にある部屋のドアノブに手をかけていて手遅れだと悟った。
躊躇いもなくそのドアを開く。まるで、家のリビングのドアを開くみたいに。
「おお、レオ遅かったな!」
部屋の中から明るい声がする。
「連れてきた」
なんとも雑な、紹介なのかもわからないレオの言葉に、あたしは不安な気持ちを抱きながらもレオの背後からそっと部屋の中を覗いた。
そこには、深い赤い髪の男とアッシュの髪の男いて、バッチリ目が合ってしまった。
「連れてきたって軽いなお前〜」
そんなことを言いながら笑ってるもんだから、簡単に受け入れてくれるようなその空気に少しホッとした。