FAIRY TRAPPER!
哀れなあたしは珍しいお誘いに驚きつつも、喜んで了承した。
学校帰りの寄り道なんていつぶりだろうか。
ファミレスに入り、ウエイトレスに2人です、と言うと窓側のテーブル席に案内される。
あたしは早速メニューを開いて可愛らしくパフェでも頼もうかと思案していた。
実際は甘いものは苦手じゃないけれど、パフェは甘ったるくて好きと言うほどでもなかった。それでも私は、可愛さを求めて甘党を演じている。
「あたし、ストロベリーパフェにしようかな~。優真は何頼む?」
メニューから顔を上げると目の前に座る優真が何やらソワソワしている。
不審に思い、首を傾げた。
「あ、華恋ごめん。注文はちょっと待って」
──は?
思わず心の声が漏れそうになった。
意味わかんないんだけど。なんで待たなきゃいけないの?何かあるって言うの?
「優真、どういうこ、」
「ユウくん、遅くなってごめんねぇ」
反射的に振り振り返ると、あたしの声を遮った声の持ち主がこちらに歩いてくるのが見えた。
あたしは目を細めて、その声の主の女を観察する。
"ユウくん"ってまさか優真のことじゃないでしょうね?空耳だよね?
そんなあたしの思考を裏切るように、その女はこちらに向かってくる。