FAIRY TRAPPER!
そしてあたしたちが座っている席の横までくると、
「ごめんねぇ、待たせちゃって」
ヘラヘラと笑って再び優真に謝った。
は、誰?
口が悪いのは重々承知の上だが、胸の内から溢れ出てくるイライラとモヤモヤでどうにかなりそうだ。
「今来たところだから気にすんな。ここ座れよ」
そう言って優真はその女を自分の隣に座らせる。
あたしは勢い余って優真の隣に座った女を睨んでしまいそうだったけど、なんとか堪えた。
好きな人の前でだけは自分の黒い部分は出したくなかったからだ。
「ねえ優真、この人だあれ?」
少し声が震えた。
もちろん怒りで。
なんで優真の横にいるの?なんでその場所で笑ってるの?なんでここにいんの?なんで、今から、優真とあたしだけの時間だと思ってたのに、なんで。
この女がここにいる状況、おかしくない?
もう一度言うが、口が悪いのは重々承知だ。
だけど、この女、邪魔でしかない。
無理矢理上げた口角は引きつっているし、きっと目は笑っていないんだろうと思う。