FAIRY TRAPPER!
期待はしていない。できない。でも、希望は捨てたくなかった。
けど、
「紹介するよ。俺の彼女、あゆみっていうんだ」
優真はあたしの気持ちなんてちっともわかってくれない。
わかりっこない。だって優真はバカで鈍感だもん。
「えっとぉ…、ドッキリ?」
「違うよ、本当に彼女だよ。俺にもようやくできたんだ」
一応確認してみたものの、呆気なく否定されてしまった。
「初めての彼女だから大切にしたいんだ」
「やだぁ!ユウくんってば、恥ずかしいよ〜!」
私はこっそり優真の隣に座る女を見てみた。
こんな女に私は負けたの?顔は絶対あたしの方が可愛い。
フツフツと怒りがこみ上げてくる。
「華恋も早く彼氏作りなよ」
あたしはそうだね、とも、好きなのはお前なんじゃ!ハゲ!とも言わずに、俯いて下唇をきつく噛んで黙っていた。
なにこれ、拷問?
あたしはあゆみとかいう女に完敗だって?冗談じゃない。
プライドはズタズタのボロボロだ。