FAIRY TRAPPER!


「それでな、こいつ華恋のファンなんだってよ」

「そうなの!今日は喋れて嬉しい!」


あなたと喋った記憶ないんだけど?

何がファンだよ。万が一でもファンだとしたら、どうして優真を取ったわけ?あたしが優真のこと好きだってわかるじゃん。ただの幼馴染みだよって言っててもきっと好きなんだろうなってわかるじゃん。鈍いの?

心底疑う。

ダメだ。この子に対してどんどん黒い感情が出てくる。


「……帰る」

「え?」

「あたし帰る!」


立ち上がったあたしに困惑するふたりの姿が目に映った。

あたしは気にせず、少し乱暴にカバンを持つ。

すると、優真はあたしの腕を掴んだ。


「一緒に帰ろうよ、どうせ家は隣なんだし」


だからなんなんだと思った。

彼女できたくせに彼女の前で彼女以外の女と帰ろうとしてるなんて、この男。

アホなのはわかってたけど、さすがにビビる。

それともあたしは1ミリも女として意識されてないってこと?そういうことなの?

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