今日から昨日へ
過去のアナタへ

もし。



あの時、あなたが何の不満もなく満たされていたら。



私達はきっと出会えてませんでしたね?




だからアナタには内緒だけどアナタのちょっとだけ足りないモノに感謝してます。



でもアナタの幸せを世界一祈ってるのも本当です。








今日は月一の同伴日。みんなお客さんの誰かと店の外で待ち合わせ夕方店へと一緒に行くことになっている。



「遊園地!?」


先週、私は初めて誠さんに同伴を頼んだ。
行きたい所は?って聞かれて咄嗟に浮かんだのが遊園地。

「そんな所?普通高いレストランとかブランドショップとか行くんじゃない?」


と誠さんは不思議そうな顔をした。


「…遊園地はダメですか?」


私だって同伴で遊園地は聞いたことないけど…。

「いいよ。じゃあ今度の土曜」




待ち合わせ場所の駅前で待っていると白い車が静かに停まった。


メタルホワイトの車体は磨きあげられ、太陽に照らされ輝いている。


高級そう…。


車の窓が空き誠さんが顔を出す。


「こんにちは。さぁ乗って!」

「こんにちは。失礼します」


皮貼りのシートはしっくりと座りやすく乗り心地は最高。
ついキョロキョロしてしまう。



暫くすると遊園地に着いた。

なんだかわくわくする!
走り出したい気分♪


「ん?」

「ドレスじゃない美里ちゃん見るのはじめてだから」


そんなにマジマジみないで下さい。


「綺麗なドレスも素敵だけど。私服の美里ちゃんも可愛くていいね」


可愛ぃって…。

言われ慣れてるのに何だか恥ずかしくて、くすぐったい。

変なの…。



私だけ恥ずかしいのは嫌だったから、私から誠さんの手を握り歩き出した。


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