今日から昨日へ
私は椅子の上で愛想よくニコニコする。

「で?調子はど~よ?」

優ちゃんに聞かれた二人がここぞとばかりに
「全然っスよ…」

と首を振る。

「もうちょっとで出そうなんスけどね…金が…はぁ…」

言葉を濁しながらため息をつく二人。

「ん~…そっかぁ~…。よし!じゃあこれ一箱お前等にやるわ」

優ちゃんがやっと出始めたコインを渡す。
この二人は見栄っ張りでイイカッコしいの優ちゃんの扱いを知っている。

結局いつもそう。優ちゃんは上手い具合に利用されてしまい借金ばかり嵩んできた。


私と優ちゃんは似ている。
私が優ちゃんに執着するように優ちゃんは沢山の人に執着し、二人ともお金でしか大切な人を繋ぎ止める術を知らない。

< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop