one year's story

真の出会い

それから約20分、私は私で他クラスの友達と喋ったり、引っ越してしまう親友と最後の別れを惜しんだり。

その間にも1年間同じクラスだった奴らがチラチラ見てきては隣の奴に耳打ちしながら笑い、通り過ぎる。

その度に唇をぎゅっと噛み締めて耐えた。

でも、転機が訪れた。

矢田やその取り巻きが通り過ぎる。

「来年もよろしくね、新田さあ~ん」
と、あの華奢な腕から放たれたとは思えないほどの力で私をすぐそばの歩道へと突き飛ばした。

それはちょうど、通行人が通るのと同時だった。

思いっきりよろけた私は道路に倒れ込みそうになるほどバランスを崩したとき。
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