リナリア
「騒いでもいいけど、くっつくな。うっとおしい。」

ビクッてカラダが硬直した。

幸い、半個室なため、顔は向こうからは見えない。

間違いなく、この声は…琉架だ。

彼女なのかな?

それともまだセフレなんて、作ってるのかな?

大丈夫。

1年もたったんだもん。

綺麗になる努力も散々したし、琉架を忘れて生活できてたわ。

時々思い出すことはあっても、もう時々でしかなかったのよ。

動揺する心を必死で隠して、私はトイレに向かった。
< 10 / 36 >

この作品をシェア

pagetop