リナリア
いない…かな。

まぁ、そっちの方が気持ちが休まって、落ち着いていられるかも。

一華と並んで座ると。

「あれ?結城は?」

一華のドキッとする質問。

連絡してたのね。

「あー、なんか仕事だから無理って言ってたぞ!」

近くにいる琉架と仲良かった子が答える。

安堵半分、その程度の存在だと思われてることに悲しくもなったりして。

あー、私忙しいな。

自分で自分に呆れながら、小さくため息をついて、みんなとの会話に戻った。

「李蘭、今日うちに泊まりなよー。どうせホテルは会社持ちなんでしょ?」

『ほんと~!泊まる泊まる。おじさんとおばさんとちーちゃんにも会いたい。』

「決まりね!千早なんて、あんたがスペイン行ったあと、しばらく落ち込んでたんだから。」

千早は一華の2個下の弟ね。

なかなか私とは仲がよかったんだよね。

しょっちゅう泊まりに行ってたから、着替えとかもずっと置かせてもらってたしね。

うらやましい位、仲良し家族なんだ。

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