リナリア
抵抗してもムダだった。

確かめたいことって、まだセフレであること?

カラダを重ねたあと、琉架は眠ってしまった。

なんて残酷な確認なんだろう。

やっぱり、一時帰国は誰にもいうべきじゃなかった。

せめて、一華にほんとのことを話しておくべきだった。

そしたら、1年後にまたこんな思い、しなくてよかったのかも。

琉架の寝顔を見ながら、涙が溢れてくる。

ぐっと我慢して、そっとベッドからおりて着替える。

オートロックの部屋だから、そのままバッグだけを掴みその場をあとにする。

『バカみたい…。』

小さく小さく呟いて、止まらない涙をそのままにして。

小走りで街を駆け抜ける。

スマホを手にして、一華の番号をタップする。

「李蘭!結城とどーゆう関係よっ?!」

つながった瞬間、一華が話してくる。

『いちかぁ…。もうキツイ。』

異変をすぐに感じ取ってくれる一華。

「今すぐうちにおいでっ!」

『うん…。』

駅前でタクシーを捕まえ、一華の元へと急いだ。

1人でいるのも考えるのも、もう限界だった。
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