リナリア
前を向く女
『一華~!おめでとー!半年ぶり!颯くんも久しぶり!』

「李蘭!ありがとう。…てか、あんたまたキレイになった?!何したの?」

驚いた一華の顔。

嬉しいけど、いきなりだね。

『うーんと、あえていうなら、スキルアップのためにドイツ語習得したり、ヨガしたり、旅行したり。』

「恋したり?」

意味深な笑顔で颯くんが言ってくる。

『…そうだね。やっと最近、少しずつ前向きになれてるの。誘ってくれる人もいるし、その人のこときちんと見てみようかと思えてるの。』

「えっ?!」

二人して同じ顔してびっくりしてる。

なんかおかしいこと言った?

「好きなの?!」

一華が慌ててる?

『いやいや、まだだけど。好きになれそうかもって思ってる。ここフランスにいるから会ってもらってもいい?』

「うん…。だってさ、結城!遅すぎたみたいよ。」

『はっ?!』

「李蘭…。」

琉架?!

どういうこと??

後ろから声が聞こえて振り向くと。

そこには半年前と変わらない琉架の姿。

『琉架?あれ?出張か何か?』

今さら琉架に会ったところで、未練もなにもないけれど。

動揺はするわよね。

何年も好きだったんだから。

私はふっきれてるんだから。

冷静に冷静に。

< 22 / 36 >

この作品をシェア

pagetop