リナリア
『誕生日におめでとうを言ってくれなかったのは?あれですべて諦めたのよ。』

「だんだん重くなっていく自分を抑えられなくて、でも会いたくて。」

何なのよ、それ。

散々泣いたのに。

「覚えてるか?去年の誕生日に花を渡したの?あれは意味があったんだ。」

意味?

たまたま気がついて買ってきたって言ったわよね?

『たまたま買った花に意味があったの?』

どうでもいい風だったけど。

「リナリアだ。」

リナリア?

その時、私のケータイがなりだす。

ずっとなっているから無視もできず、『出てもいい?』琉架に確認してから、話の途中だけど出た。

イタリア語が聞こえてきた。

誰か確認しないでとったから、イタリア語なら母親だ。

よくよく聞くと、ディナーに一華達を誘えと言っている。

後ろの席で待機しているみたいになってた一華と颯くんに向き直り、

『ママがディナー一緒にどう?って。』

「やった!李蘭ママのご飯美味しいのよね!」
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