リナリア
迷った末に行き着く先は
「りー、これも食べてみて。ここ、ついてるよ。」

さらっととってくれる來に、私の顔は絶対赤いと思う。

あれから、琉架は再来週のロンドン出張のときに、スペインに会いに来ると言って、帰っていった。

一華と颯くんも新婚旅行を無事終えて、帰国した。

今日は休みの來がスペインまで来てくれて、午後休だった私とカフェに来ています。

『來も食べる?』

ケーキをフォークに刺して、目の前に出すと。

パクンと食べたあと、「甘い。」って笑うから。

年上なのに、可愛いって思ってしまった。

「りー。」

『ん?』

「呼んだだけ。」

「李蘭。」

『また呼んだだけ?』

紅茶を飲みながら、ニッコリ笑うと。

「好きだよ。」

『ぶっ…!』

紅茶、口から吐き出しそうになっちゃったじゃない!

「りー、破壊的に可愛い。大丈夫?」

來は元々甘々だけど、拍車がかかってきた気がする。

私はそれに翻弄されっぱなし。

一緒にいるときは常にくっついてるしね。

今も私の腰を引き寄せて、髪の毛撫でてるしね。
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