咲くやこの花、誠の旗に
次第に咲耶の規則正しい寝息が聞こえてくる。
「ほんとに寝たのか…?」
平助は咲耶の顔を上から覗き込んだ。
確かめるまでもなく、咲耶は気持ちよさそうに眠りについていた。
「はぁぁぁ………」
(結局詳しい話は聞けなかったし…。
つーかこいつ男と同じ部屋で寝るってことに警戒心も何もないのかよ…。
他のみんなはこいつのこと男だと思ってるとはいえ、やっぱり男だらけの部屋に女が一人転がり込むなんて危険だろ…!!)
「何やってんだ平助。寝込みでも襲うのか?」
「うわあ!!?」
突然背後からかけられた声に驚き、平助は肩を揺らした。
部屋の前に立っていたのは左之助。
その後ろには新八と宗次郎の姿もある。
「え?平助って男色の気があったの?」
ひょこっと顔を覗かせた宗次郎が驚いたように言う。
「ね、ねぇよ!!」
「ふーん?
あっ、咲耶さんもう寝ちゃったんだ」
宗次郎はそう言うと眠っている咲耶の元へ駆け寄り、しゃがみ込んだ。
「あっ、おい!」
「咲耶さん、男の割に可愛らしい顔してるなあとは思っていたけど寝顔なんてもう女の子そのも「わあああああ!!!!!」
宗次郎の口から出た"女の子"という単語に平助は反射的に大きな声を上げた。
宗次郎は驚いて目を丸くする。