私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「永井、今日はありがとね」
買い物も済み、今はヤスと家に向かって歩いている途中。
「ううん。私付いて行っただけだし」
付き合ってくれたお礼に、ヤスが家まで送ってくれると言った。
私の家とヤスのマンションは、反対方向なのに。
「あ、そうだ。永井、手出して」
「え?」
「早く」
「?」
寒くてポケットに入れていた手を出した。
「今日のお礼」
手首に冷たいものを感じた。
「…え?」
思わず、至近距離で手首にかけられたものを凝視してしまう。
「ブレスレット?」
銀色のチェーンに、色とりどりのチューリップの花飾りがついている。
「ちょっと子供ぽかった?」
ヤスが首を傾げながら聞いてきた。
「う…ううん!可愛い!」
「良かった!永井にぴったりだと思って、そのブレスレット」
満面の笑みで嬉しそうにヤスが言った。
その笑顔に、急にドキドキし始める。
「う…嬉しいけど、いつこのブレスレット…」
…あ!
あの電話ってー…