私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】




「永井、今日はありがとね」


買い物も済み、今はヤスと家に向かって歩いている途中。

「ううん。私付いて行っただけだし」

付き合ってくれたお礼に、ヤスが家まで送ってくれると言った。

私の家とヤスのマンションは、反対方向なのに。


「あ、そうだ。永井、手出して」

「え?」

「早く」

「?」

寒くてポケットに入れていた手を出した。



「今日のお礼」


手首に冷たいものを感じた。


「…え?」


思わず、至近距離で手首にかけられたものを凝視してしまう。



「ブレスレット?」


銀色のチェーンに、色とりどりのチューリップの花飾りがついている。


「ちょっと子供ぽかった?」

ヤスが首を傾げながら聞いてきた。


「う…ううん!可愛い!」

「良かった!永井にぴったりだと思って、そのブレスレット」

満面の笑みで嬉しそうにヤスが言った。

その笑顔に、急にドキドキし始める。

「う…嬉しいけど、いつこのブレスレット…」

…あ!

あの電話ってー…








< 11 / 107 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop