私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「気付いちゃった?実はあの電話は嘘で、このブレスレットを買いに行ってたんだ。ごめん」
「ううん!そっか…」
だから、鼻が赤かったんだ。
「言っとくけど、これは適当に選んでないからね」
「え?」
「永井のことを考えて選んだブレスレットだから」
そう言いながら、ヤスが顔を覗き込んでくる。
ドキン!
綺麗な顔が真剣な表情をすると、より一層綺麗に見える。
「…あ…ありがとう。大事にする」
もうドキドキしすぎて、この言葉しか出ない。
「こちらこそ今日はありがとう」
ヤスはふっと笑うと、再び歩き出す。
その後ろを、ゆっくりと付いて行く。
「…」
さっきまで寒かった手や身体が、ぽかぽかと暖かい。
心はドキドキして熱いぐらい。