私は貴方に、叶わない恋をした。【続編】
「永井いる?」
「ヤス!?」
放課後の教室にひょっこり顔を出したのは、金髪から黒髪に染めたヤス。
「ど…どうしたの?」
ヤスが教室まで来るのは、珍しい。
「ちょっと買い物に付き合ってほしくて。一緒に帰れる?」
「え!?あ…うん」
ヤスがこういうことをお願いしてくるのは、初めてでちょっと驚いてしまった。
「ありがと。じゃあ、先に下駄箱で待ってる」
「うん。すぐ行くね」
手を振りヤスを見送ると、急いで帰る支度をする。
「ねぇ!麻由美!!」
「!」
目の前に、同じクラスで友達の真奈が現れた。
「やっぱ、ヤスって人と付き合ってるの!?」
「またその質問?…付き合ってないよ」
あの噂が出回った日から、真奈からしょっちゅう聞かれてる。